決算で前払利息と未払利息の計上担当になりました。
それぞれの違いが判らなくて困っています。考え方を教えてください。よろしくお願いします。
■前払利息
前払利息とは、まだ利息が発生していない将来の期間に対して、先に支払った利息のことを指します。
借入金の利息については、先に支払う契約が多いのではないでしょうか。
たとえば、3月25日に4月24日まで30日分(3/26-4/24分)の利息30,000円が銀行引き落しされたとします。
【仕訳】
② 3/25 支払利息 30,000 / 普通預金 30,000
(銀行引き落し時は、全額を支払利息で処理します)
③ 3/31 前払利息 24,000 / 支払利息 24,000
3月末で決算を締めるならば、3/25に支払った利息対応期間のうち3月に属する期間は3/26-31の6日間になります。
30,000円のうち24,000円は4/1-24までの期間24日分に対応する分なので、②で処理した30,000円から24,000円を前払いしたとして除く処理をします。
④ 4/1 支払利息 24,000 / 前払利息 24,000
決算時の③の仕訳を翌月に取り消します。
このままでは3月で計上される利息は、②-③で6,000円になると思いませんか?
3月側で計上される支払利息は31,000円になるべきです。
実は次の仕訳が既に計上されています。
① 3/1 支払利息 25,000 / 前払利息 25,000
2月に前払計上した処理の戻しがあります。2/28に前払利息として3/1-25分が計上されていました。
その戻しが発生しています。
この一連の仕訳②-③+①で、3月側で計上される支払利息は31,000円になります。
■未払利息
未払利息とは、既に発生しているが、まだ支払われていない利息のことを指します。
借入金の利息について、利息後払い契約で発生します。
たとえば、3月25日に30日分(2/24-3/25分)の利息30,000円が銀行引き落しされたとします。
【仕訳】
② 3/25 支払利息 30,000 / 普通預金 30,000
(銀行引き落し時は、全額を支払利息で処理します)
③ 3/31 支払利息 6,000 / 未払利息 6,000
3月末で決算を締めるならば、3/25に支払った利息対応期間のうち3月に属する期間は3/1-25の25日間になります。
3/26-31の6日間の分は計上されていませんので、6,000円が未払になっているとして支払利息を追加計上する処理をします。
④ 4/1 未払利息 6,000 / 支払利息 6,000
決算時の③の仕訳を翌月に取り消します。
このままでは3月で計上される利息は、②+③で36,000円になると思いませんか?
3月側で計上される支払利息は31,000円になるべきです。
実は次の仕訳が既に計上されています。
① 3/1 未払利息 5,000 / 支払利息 5,000
2月に未払計上した処理の戻しがあります。2/28に未払利息として2/24-28分が計上されていました。
その戻しが発生しています。
この一連の仕訳②+③-①で、3月側で計上される支払利息は31,000円になります。
どうでしょうか混乱していませんか?
前払となっている期間や未払となっている期間に着目するのも大切ですが、結論としてその月(その年)にいくら利息が計上されるべきかを考えて処理のチェックをすることも大切です。